以前、種苗法の改正は今回の食糧危機に向けての下準備だったのではないか、と書いた。
もう一度考えて見たいと思う。
種苗法改正前の盛り上がった時、隠居は反対の意向を示した。
この時、農家を名乗る人から「素人が口出しするな!」と責められた。
その人が述べる内容を見ると、自分の利益しか考えていないと言う事が分かったので、それ以上主張するのを止めて、家庭菜園を進める事にした。
農業従事者が農業全体の事を考えず、自分の利益だけを考えていたので行く末は見えた。
隠居は家庭菜園に力を入れ始めたのもこの事件が原因だったと思う。
さて、本題だが種苗法により、登録品種の自家採種が禁止された。
(家庭菜園で自分で消費する分については禁止されていない。ただし、無償、有償にかかわらず他人への譲渡は禁止)
登録品種、つまり従来の品種より食味が優れていたり耐病性があったり、今までより優れている品種なのでプロ農家が率先して使用すると思われる。
今までなら自家採種していた農家が種を購入する必要がある。
つまり、種の在庫を農家が持たないと言う事だ。
種苗メーカーは利益率の高い登録品種を積極的に生産し、一般品種は減産するのは容易に想像できる。ましてや、この肥料や農業資材の高騰の折、安価な一般品種を生産するのは難しくなる。
登録品種を買う予定で、自家採種を止めてしまった農家。
もし、この時、種の入荷が止まったら。
農家は種が無く野菜が作れない。
家庭菜園ならともかく、プロ農家の使用量を急遽一般品種で調達するのは難しいだろう。
さらに手元にある家庭菜園向けの種の産地を見ると、中国、アメリカ、デンマーク、チリ、イタリア、ニュージーランド、フランス等々。
おそらくプロ農家向けも同じだろう。
つまり、物流が止まったり、通貨システムが停止するなどすれば一気に食糧危機につながる状況だ。
農家が種を持たない事が大きな食糧危機につながる事を意味する。
種苗法の改正は農家にとって有意義な物だったのだろうか?
日本が失った物は無かったのだろうか?
そして、これから日本が失う物は無いのだろうか?
種苗法改正論議の最中、裏に世界規模の種苗メーカーが存在すると話題になった。
その種苗メーカーの大株主が国際金融資本である事は言うまでもない。
種苗法の改正が病を含め世界的規模の企みの一環ではない事を望む。
我々は家庭菜園を通じて野菜の種を出来る限り持つ事で、ほんの少しではあるが希望を持つ事が出来るのではないか?