昨日、車で郵便局へ向かう途中、お婆さんが何かを言いたげに手を振っていた。
知らないお婆さんだ。
きっと誰かと間違えているのだろう。
そう思った。
すれ違いざまお婆さんの振る手が目に入った。
真っ赤だった。
真っ赤だと言っても血ではない。極端に赤い皮膚。ちょうど火傷をした時の色。
すぐさまブレーキを踏んだ。
もともとゆっくりは走っていたので、それほど離れずに止まれた。
嫁が飛び出してお婆さんへ駆け寄っると、
「悪いが郵便局まで乗せてもらえないだろうか」
その声が聞こえた。
止まった地点から2Kmぐらいある地名から歩いて来たらしい。
時間は午後2時頃。
数分で汗が噴き出す気温である。
お婆さんを乗せると、冷房を最強にして郵便局へ向かった。
それにしてもこの気温と日差しの中を歩くとは無謀である。
郵便局に着くと、郵便局の人に事情を話し、休ませてもらうようお願いした。
車の中には千円札が置かれていたので、嫁がすぐさま郵便局へ立ち戻りお婆さんに返した。もらうわけには行かない。
お婆さんがなんの目的で郵便局へ行ったか知らないが、この炎天下を急いで向かっていたと言う事はオレオレ詐欺ではなかろうか?今思うとそう思えてくる。
まあ、この辺は郵便局員は心得ているだろう。何しろ、田舎の郵便局は街のホットステーションであるのだから。www
民営化する前は学校帰りの小学生が水をもらって飲んだり、クーラーで涼んだりと好き勝手に使っていた。それを局員は笑顔で見守っていたものである。もちろん民営化した今は小学生は来なくなったが年寄りは昔のままで使っている。一番は駐在所、二番は郵便局。三番は農協かな?www
さて、今度郵便局へ行ったらおばあさんの事を聞いてみよう。