製造業復活!?
いやいや、そうなら良いんですけどね。
工業製品って先端技術がいくら進歩しても、泥臭い末端の力がなければ成り立たないんですよね。
部品加工、メッキや熱処理、組立、調整。
それ以外にも数多くの熟練技術が必要です。
工作機械が高精度化されたら良いと言う物ではないのです。
特に1万分の1mm以下の世界は。
隠居がまだ若かった頃、ピンゲージを手で測定する爺様が居ました。
専用の加工機に特注の砥石、スペシャルな切削液を使っても、加工時の熱で膨張して寸法が出ないとか。
それを指で触りながら追い込んでいくのです。万分台を。
製造の場面でいろいろな技術が必要で、その技術を持った職人が小さな町工場単位で働いていました。
今はもうその職人がほとんど居ません。
昔、日本が高度成長だ、バブルだ、と言っていた頃。
大手メーカーは省力化だ、合理化だ、自動化だ、と言い、大規模な投資を行いました。
しかし、投資できないメーカーは中国へ行き、安い労働力で対抗しました。
結果、安いメーカーが勝ったのです。
メーカーは我先にと中国へ工場を移し、大規模投資をしたメーカーは投資を償却できず、喘いでいました。そこへ多品種、小ロットの波が。
日本の自動化工場は無残な結果となりました。
もし、日本の製造業が復活できるとすれば、若い技術者、油にまみれながら腕を磨く技術者を育てるしかないのです。
でも、その技術を教える職人はもういません。
大企業は下請けから搾り取る事を止め、日本の為に中小企業と力を合わせて腰を据えて挑む必要があります。
非常に時間がかかりますが、慌てず、少しずつ、コツコツと積み上げていく作業を続けましょう。
それが、復活への道なのです。